偏差値を上げる方法|上がらない原因と対策4ステップ

模試の結果を見て、偏差値も判定も前回とほとんど変わらなかった、という人は多いのではないでしょうか。
「このままで志望校に合格できるのか不安」という相談は、個別指導キャンパスにも多く寄せられます。
結論から言うと、偏差値が上がらないときに最初にやるべきなのは、勉強時間を増やすことではなく、偏差値が低い教科に絞って対策していくことです。
この記事では、偏差値が上がらない4つの原因と具体的な対策を、当塾の生徒の実例を含めて紹介します。
偏差値が上がらない4つの原因

勉強時間を増やしても偏差値が上がらない場合は、勉強方法に問題がある可能性があります。
次の4つの中に、自分に当てはまるものがないか確認してください。
4つに共通しているのは、どれも解ける問題を増やすことにつながりにくい点です。
該当する勉強法を改善しないまま闇雲に勉強時間を増やしても、次の模試でもまた同じ結果を繰り返しかねません。
重要なのは、偏差値が低い教科から順に、苦手な単元を解けるようにしていくことです。
偏差値を上げる前に決めること|目標の立て方と弱点の分け方

対策する教科を決める前に、目標の立て方と、間違えた問題の分け方を整理しておきます。
この2つが決まると、成績表を見たときに、何点上げればよいかと、どこから手をつけるかがわかります。
目標は偏差値ではなく点数で立てる
「偏差値を10上げる」と決めても、今日から何をすればよいかは決まりません。
偏差値は受験者全体の中での位置を表す数字なので、何問解けるようにすればよいかまでは示さないからです。
そこで、今のテスト結果を使って、志望校に必要な偏差値まであと何点かを計算してみましょう。
成績表にある自分の点数・平均点・偏差値から、そのテストで偏差値1が何点程度にあたるかがわかります。
たとえば数学が50点、平均点が60点、偏差値45なら、平均点との差10点が偏差値5つ分にあたるため、偏差値1は約2点です。
志望校に偏差値60が必要ならあと15、つまり約30点上げて80点を取るのが目安になります。
ただし、平均点や点数のばらつきはテストごとに変わるので、偏差値1が何点かは模試ごとに計算し直してください。
志望校がまだ決まっていない場合は、保護者の方に向けて書いた次の記事を、おうちの人と一緒に読んでみてください。
間違えた問題を3つに分ける
何点上げればよいかがわかっても、その点数をどの分野で取るかはまだ決まっていません。
間違えた問題をまとめて「できなかった問題」として扱うと、すべて同じような原因で間違えたように見えてしまうからです。
間違えた問題を、次の3つに分けてください。
「解き方はわかっていたが計算を間違えた」が多いなら、新しく覚えることはないので、いちばん早く点数が上がります。
逆に「習った覚えがない」が多いなら、今習っている単元を何度練習しても点数が上がりにくいので、前の単元に戻る必要があります。
偏差値を上げる方法|4ステップで苦手な教科から立て直す

ここからは偏差値を上げる具体的なステップを紹介します。
次の4つのステップは、先ほど紹介した4つの原因に順番に対応しています。
偏差値がいちばん低い教科に絞る
つまずきやすい点:点数の低さだけで選ぶと、教科ごとの難しさの差に影響されます。
つまずいた単元まで戻る
つまずきやすい点:戻る場所を、今の単元の近くだけで探してしまいます。
何も見ずに解けるかで確かめる
つまずきやすい点:解いた直後に確かめると、解き方を覚えているだけでも解けてしまいます。
平日に勉強する時間を決める
つまずきやすい点:曜日と時刻まで決めておかないと、ほかの予定に流されてしまいます。
1. 偏差値がいちばん低い教科に絞る
5教科に同じ時間を配分すると、すでに点数が取れている教科にも、いちばん弱い教科にも、同じだけ時間を使うことになります。
1日に使える時間は決まっているため、苦手な教科を立て直すには、その教科に時間をかける必要があります。
ほかの教科の対策をやめるのではなく、偏差値の低い教科から順に対策していくということです。
対策する教科を選ぶときは、点数ではなく教科別の偏差値を見てください。
教科によって平均点も点数のばらつきも違うため、英語60点と数学60点では、どちらが弱いか判断できません。
英語の偏差値45、数学の偏差値52なら、英語のほうが弱いとわかるのでこの場合は英語から始めます。
いちばん低い教科に絞れば、今週からどの教科に時間を使うのかが決まります。
2. つまずいた単元まで戻る
今習っている単元を何度繰り返しても、点数が変わらないことがあります。
特に数学と英語は、前に習った内容の上に次の内容が積み重なっていく教科なので、前の単元を理解できていないまま今の単元だけを練習しても、解けるようにはなりにくいです。
解けない問題の解説を読み、その問題を解くために必要な前の単元まで戻り、学校や塾のワークで解き直してください。
どこまでさかのぼるかは教科や単元によって変わり、学年をまたいでさかのぼることもあります。
個別指導キャンパスでは、つまずいた単元までさかのぼる指導をしています。
夏期講習を受けてもらうことで苦手分野の克服を図りました。
例えば、その生徒が苦手だった二次方程式であれば、保護者様に説明し、ご本人にも納得してもらった上で、中2で学習する連立方程式をやり直し、さらには中1の一次方程式から復習してもらいました。
夏期講習中は同様の形で、数学の苦手分野をつまずいた所までさかのぼる指導を実施。
その結果、夏休みが終わるころには解ける問題が増え、2学期からは応用問題に入っていけるまでになりました。
〈愛知〉笠寺校 教室長(自社情報誌『YOU CAN PASS』2024年春号)
つまずいた単元まで戻ってやり直すには、ある程度まとまった時間が必要で、学校の授業が進んでいる時期には時間を確保しにくくなります。
長期休みはまとまった時間を使いやすい時期なので、家庭学習はもちろん、塾の季節講習を受講するのも方法の1つです。
個別指導キャンパスでは、一人ひとりの理解度に合わせたさかのぼり学習が可能なので、お気軽にご相談ください。
3. 何も見ずに解けるかで確かめる
解説を読んで「なるほど」と思ったところで、その問題を終わりにしていませんか。
解説を読んで理解できる状態と、何も見ずに自分で解ける状態は別です。
解説には答えまでの道筋が書かれているため、読んでいるだけでは、その道筋を自分で再現できるかどうかは確かめられません。
間違えた問題に印をつけておき、次にその教科を勉強する日に何も見ずに解き直し、解けたら印を消します。
印が減っていれば、解ける問題が増えていることがわかります。
テストを受けなくても、前に進んでいることを数字で確認できます。
4. 平日に勉強する時間を決める
平日は時間がないから休日にまとめてやろう、と考えていませんか。
このスケジュールの組み方だと、1週間のうち勉強する日が2日しかなく、土日に予定が入ると1週間まるごと勉強できなくなることもあります。
「毎日1時間」ではなく、「火曜と木曜の19時から1時間」のように曜日と時刻まで決めてください。
当塾の先生も、学習計画は平日に立てるよう勧めています。
「課題を休日にやろうとしてできなかった」という話をよく耳にします。
休日は急な予定が入り、計画通りできないことも多くなります。
学習計画は休日ではなく、平日に立てましょう。
月曜〜金曜まで学校や部活の予定はほとんど変わりません。
その中で、自分はどこの時間が空いているかを探し「〇曜日の十九時から一時間勉強する」と計画しましょう。
そうすれば課題に追われて焦ることもなく、休日を有意義に過ごせますよ。
〈奈良〉橿原神宮校・奈良桜井校 担当の先生(自社情報誌『YOU CAN PASS』2021年夏号)
ここまでの4ステップを自分の予定に当てはめるのが難しいときは、個別指導キャンパスにお気軽にご相談ください。
偏差値の見方と求め方

ここでは、成績表に記載される偏差値の読み方を詳しく説明します。
偏差値50とはどういう状態か、今の偏差値が1000人中の何番目にあたるか、どう計算されているのか、違う模試の偏差値を比べてよいのかを順に見ていきます。
平均点を取ると偏差値は50になる
点数が前回より下がったのに、偏差値は変わっていなかった、ということがあります。
偏差値は、平均点を取ったときにちょうど50になるように計算されているからです。
テストが難しくて平均点が下がれば、点数が下がっていても偏差値が変わらないことがあります。
点数が下がったときは、成績表の平均点も一緒に下がっていないかを確認してください。
逆に、点数が上がったのに偏差値が動かない場合は、周りの受験者も同じように点数が上がっている可能性があります。
今の偏差値は1000人中の何番目か
偏差値55と言われても、それがどのくらいの位置なのかは実感しにくいでしょう。
点数の散らばり方が正規分布(まん中が多く、左右に同じように広がる形)に近ければ、偏差値は「自分より上に何%いるか」に置き換えられます。
下の表で、自分の偏差値に当てはまるところを見てください。
| 偏差値 | 自分より上にいる人 | 1000人中の人数 |
|---|---|---|
| 70 | 2.3% | 約23人 |
| 65 | 6.7% | 約67人 |
| 60 | 15.9% | 約159人 |
| 55 | 30.9% | 約309人 |
| 50 | 50.0% | 約500人(まん中) |
| 45 | 69.1% | 約691人 |
| 40 | 84.1% | 約841人 |
この表を見ると、同じ「偏差値を5上げる」でも、中身は大きく違うことがわかります。
65から70に上げるのは約44人を抜くことですが、一方で50から55に上げるには、約191人を抜くことになります。
偏差値50前後は人がいちばん多く集まっているため、同じ5でも、抜く人数には4倍以上の差があります。
今の偏差値が50前後なら、そこから5上げるのは簡単ではありません。
行きたい高校の偏差値との差が、受験者の中でどの程度の差にあたるのかも、この表からイメージできます。
ただし、偏差値は模試によって基準が異なるため、志望校に届いているかどうかは、自分が受けている模試の判定で確認してください。
偏差値の求め方
偏差値は、次の式で計算されています。
「偏差値=(自分の点数−平均点)÷標準偏差×10+50」
標準偏差は点数の散らばり具合を表す数字で、成績表に記載されていることもあります。
偏差値は自分の点数だけで決まるわけではなく、同じ80点でも、平均点と点数の散らばり具合が違えば偏差値は変わります。
偏差値1は、そのテストの標準偏差の10分の1の点数にあたります。
標準偏差が15の教科なら1.5点、20なら2点です。
違う模試の偏差値どうしは比べられない
同じくらいの実力でも、模試によって偏差値が違って出ることがあります。
偏差値は、そのテストを受けた人の中で自分がどの位置にいるかを表す数字だからです。
受験者が変われば、同じ偏差値でも意味が変わります。
校内で受けるテストは同じ学校の生徒が中心ですが、全国規模の模試には他県の生徒も参加します。
同じ偏差値50でも、受験者が違うため別の数字として考えてください。
前回の結果と比べるときは、同じ模試どうしを使うようにしてください。
偏差値が上がるまでにどれくらいかかるか

ここまで紹介した手順で進めたとして、結果が出るまでにどれくらいかかるのか。
当塾で実際に偏差値が上がった事例を3つ紹介したうえで、勉強時間の考え方を説明します。
個別指導キャンパスで実際に偏差値が上がった事例
当塾で実際に偏差値が上がった事例を3つ紹介します。
3つ目に関しては、5教科すべての成績が足りない状態だった生徒の事例です。
中3の夏期講習前の模試では偏差値50程度で偏差値56程度の高校を目標にしていました。
5教科全ての成績が足りない状況だったので、「夏期講習は5教科がんばろう」と勧め、夏休みはとにかく反復学習を徹底して基礎固め、その結果、夏休み明けの模試ではA判定。
ここで本人が「まだいける」と思ったようで、志望校を偏差値59程度の高校に変更。
やればやるほど成績が伸びて本人のやる気に火がつき、最終的に偏差値61の高校の受験を希望。
「合格しました。ありがとうございました」と泣いて電話をくれたときは、驚くとともに胸に熱いものがこみ上げてきました。
〈大阪〉河内山本校 担当の先生(自社情報誌『YOU CAN PASS』2025年冬号)
必要な勉強時間は一人ひとり違う
「偏差値を1上げるには◯時間」という目安を見て、自分は勉強時間が足りていないと感じたことがあるかもしれません。
ただし今の学力も、どこでつまずいているかも人によって違うので、必要な時間も変わります。
同じ3時間でも、つまずいた単元に戻った3時間と、今の単元を繰り返した3時間では、解ける問題の増え方が変わります。
個別指導キャンパスでは、必要な時間や進め方を一人ひとりの状況に合わせて考えているため、お気軽にご相談ください。
偏差値が上がらない時期をどう乗り切るか

偏差値が上がらない時期は、不安になりやすいものです。
特に前の単元に戻っているときは、今取り組んでいる内容が目の前のテスト範囲と違うため、間違ったことをしているのではないかと思えてきます。
対処法として、間違えた問題につけた印の数を数えてください。
先週より5つ減っていれば、次の模試を待たなくても、解ける問題が増えているとわかります。
もう1つ、この時期にやりがちなのが、睡眠を削って勉強時間を増やすことです。
体調を崩して数日勉強できなくなれば本末転倒なので、睡眠と食事の時間を先に確保し、その残りの時間で勉強の予定を組んでください。
模試が返ってきたときの見直し方は、別の記事にまとめているので参考にしてください。
よくある質問
- 偏差値を10上げるには一日何時間勉強すればよいですか?
-
一日の勉強時間だけでは決まりません。
平日に使える時間は、学校や部活、習い事の予定でほとんど決まっています。増やせる時間は人によって異なります。
一日に何時間勉強するかよりも、まずは週に何日勉強するかを決めてください。1回の長さが同じでも、週2日と週5日では学習を進められる量が変わります。
- 中学生でオール4だと偏差値はいくつですか?
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内申点から偏差値を求めることはできません。
内申点のもとになる評定は、学習の目標にどれだけ達したかでつきます。実技教科の評定も調査書に記載されます。
一方、偏差値は、そのテストを受けた人の中で自分がどの位置にいるかを示す数字です。内申点と偏差値では、測っているものが異なります。
内申点の付け方や入試での比重は、都道府県・学校・選抜方式によって異なるため、それぞれ別の指標として見てください。
- 5教科400点だと偏差値はいくつですか?
-
点数だけでは決まりません。
偏差値は、平均点との差を点数の散らばり具合で割って求めます。同じ400点でも、平均点が300点のテストと380点のテストでは偏差値が変わります。
成績表にある平均点と自分の点数を見比べてください。
まとめ
偏差値が上がらないときに見直すのは、勉強時間の長さではなく、どの教科のどこから始めるかです。
偏差値がいちばん低い教科に絞り、つまずいた単元まで戻ります。
そして、何も見ずに解けるかを確かめ、平日に勉強する時間を決めます。
次のテストですぐに結果が出るとは限らないため、間違えた問題につけた印の数で進み具合を確認してください。
この記事の監修者
福盛 訓之(ふくもり としゆき)
1973年大阪市生まれ。大学在学中、19歳で起業。1996年に新教育総合研究会株式会社を設立し、代表取締役に就任。指導品質及び事業規模日本一を目指して邁進中。
受賞歴
- 第25回盛和塾世界大会 経営体験発表 最優秀賞 受賞(2017年)
- 第33回優秀経営者顕彰 日刊工業新聞社賞 受賞(2016年)
- 紺綬褒章受章(2013年)、同飾版受章(2020年・2025年) 他多数